2014年度 「礼節のルール25」 第4回

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2014年度 「礼節のルール25」 第4回

safe_image第4回は、『あいさつをして敬意と承認を伝える』です。

立春を迎え、暦の上では春がスタートいたしましたが、まだまだ残寒が続く日々でございます。昨日は家族で豆まきをし、年齢の数の豆を食べて今年の福運と無病息災を願いました。皆様はどの様な節分をお過ごしでしたでしょうか。

さて、私は日頃友達の子供たちに会う機会が多いのですが、いつもどの子供たちも、とても元気な笑顔で「こんにちは!」と挨拶をしてくれます。そのほかにも、大きな声で「ありがとう」「さようなら」と気持ち良く言ってくれます。たとえ相手が初めて会う子供でも良い関係が始まる予感がし、子供たちの挨拶から、いつも元気やパワーをもらっています。
一方で、私が授業を担当している大学の廊下ですれ違う学生に挨拶をすると、小さい声でぼそぼそと挨拶をする人や、携帯電話を見ながら挨拶をする人を見かけることがあります。この現象は、おそらく社会においても多く見かけられるのではないでしょうか。

振り返れば、私たちは幼少期に、挨拶の重要性を家庭や地域社会から学び、どの人もきちんとそれを行動に移していたのではないかと思います。しかし、大人になり多くの経験をするにつれて、誰もが本来自然にできていた挨拶が、自分にとって必要な人にのみする行為や、中には相手の反応を伺う行為に変わってきてしまっているのではないでしょうか。
挨拶とは「相手を認める行為である」と言いますが、心を開きその人の存在をしっかり認めていますよというメッセージを積極的に伝えているのです。幼少期に当たり前にできていたこの行為が、大人になってできなくなってしまうのはとても恥ずかしい事です。家族や友達といったマイクロなコミュニティに限らず、社会の中で当たり前のことをきちんと実践していくことが大切であり、それによってより良好な人間関係を築いていくことができる事を、子供たちの元気で無邪気な挨拶を通して改めて学んだ気がいたします。

「実るほど頭(こうべ)を垂れる稲穂かな。」これは、人格の高い方ほど相手に対して謙虚であるということわざですが、この言葉を聞くと、私はいつも挨拶を思い出します。と言いますのも、私自身が会社員時代にVIPの方と接する際、魅力あるVIPの方は、この稲穂の様にとても丁寧なご挨拶をされるという第一印象を強く持ったからです。できる方ほど人間関係の基本を大切にされているということを感じた瞬間でした。

たかが挨拶、されど挨拶ですが、私たちの日常の第一歩は、お互いにとって明るく気持ちの良いものでありたいと願う日々です。

八木 理恵, AICI FLC